~私たちが知らないF1種の“見えない仕組み”~
「F1種の野菜って、なぜ毎年タネがとれないの?」
そんな疑問から辿り着いたのが、“雄性不稔(ゆうせいふねん)”という言葉でした。
これは、現代のタネづくりに深く関わる、とても重要なキーワードです。
でも、多くの人がまだその存在すら知りません。
この記事では、自然農を志す僕・西口吉宏の視点から、
雄性不稔(CMS)とF1種との関係を、できるだけわかりやすくお伝えします。
🔍雄性不稔(CMS)とは?
CMS(Cytoplasmic Male Sterility)とは、
植物の雄しべ(花粉をつくる部分)が働かなくなる性質のこと。
この性質を使うことで、自家受粉を防ぎ、人の手で交配を管理しやすくなるため、
F1(雑種第一代)を効率よく作る手段として、多くの種苗会社が活用しています。
簡単に言えば、
「交配の手間を省き、F1を大量に生産するためのテクノロジー」なのです。
🌿CMSがよく使われている作物とは?
現在CMSが導入されているとされる代表的な作物はこちらです:
- ハクサイ・キャベツ・ブロッコリー(アブラナ科)
- タマネギ・ネギ・ニンジン(ヒガンバナ科・セリ科)
- トウモロコシ・ナス・トマト(イネ科・ナス科 ※品種による)
いずれも、自家受粉しやすく、交配の管理が難しい野菜です。
CMSを使えば、目的の交配が“確実に、効率的に”できるようになります。
❗問題は、「表示されない」ということ
最大の問題は、CMSが使われているかどうかが私たちには分からないことです。
- タネのパッケージにCMS使用の表示はほとんどありません
- 種苗会社もCMSの使用を明示する義務はなく
- CMSの利用は企業秘密とされている場合が多いのです
つまり、F1種の野菜を買う・育てる際に、
👉 CMSが使われているかどうかは、消費者にも農家にも判断できないのです。
✅CMSを使っていないF1種もある?
実はあります。
例えば以下のような作物は、CMSを使わず手作業で交配されていることが多いです:
- キュウリ・スイカ・メロン(ウリ科)
- エダマメ・インゲン(マメ科)
こうした作物は、比較的交配の管理がしやすく、CMSに頼らずともF1化できるとされています。
とはいえ、これもすべての品種が該当するわけではありません。
つまり、F1というだけで“安全”や“安心”とは限らないのが実情です。
🌱では、私たちはどうすればいい?
答えは、実はとてもシンプルです。
🔸 自家採種できるタネを選ぶこと
🔸 命がつながる“固定種”や“在来種”を選ぶこと
F1種やCMSの背景を知れば知るほど、僕は確信するようになりました。
命の循環を信じられるタネこそが、本当の「癒し」と「教育」を与えてくれるのだと。
🌏自然農は、命がつながるタネと共にある暮らし
僕が固定種にこだわるのは、懐かしさやこだわりではありません。
どのF1種にCMSが使われているか、もう見分けがつかない今の時代だからこそ──
🟢 タネを採り、また蒔く喜び
🟢 草や虫と共にある畑の時間
🟢 命がリズムを刻むように成長していく感動
そんな自然との対話を、次世代につなげたいんです。
🍅一粒の固定種のタネから始まる未来
もしあなたが、
「どんなタネを選べばいいか迷っている」
「心や体を整える暮らしをしたい」と感じているなら──
まずは、命がつながるタネに手を伸ばしてみてください。
きっと、育てながら自分自身も癒され、変わっていくはずです。
共感していただけたら、ぜひシェアやコメントをお願いします。
一緒に、命がつながる未来を育てていきましょう🌍
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