~命がつながる野菜づくりとは?~
「自然農って癒されますね」と言われることがあります。
確かに、土に触れ、タネをまき、芽が出て、野菜が育つ過程を見守ることは、とても穏やかで心が落ち着きます。
けれども──
同じように野菜を育てているのに、なぜか心が満たされないという声もあるのです。
その違いはどこにあるのか?
僕はそこに、「タネの違い」があると感じています。
1. 命の循環が、F1種では途切れてしまう
F1種(雑種第一代)は、異なる品種を人工的にかけあわせて作られた、一代限りのタネです。
自家採種をしても、次の世代は性質がバラバラになってしまい、同じようには育ちません。
本来、野菜づくりとは
「タネをまいて、実って、またタネをとる」
という命のサイクルに寄り添う営みのはず。
でもF1種では、そのリズムが断ち切られてしまうのです。
🌱 自然農が大切にするのは、「いのちをつなぐこと」。
それができるのは、固定種や在来種のタネです。
2. タネが“誰かのもの”になっている
F1種のほとんどは、大手の種苗会社によって開発・管理されています。
多くが知的財産として登録されていて、毎年“買わなければ育てられない”という構造です。
かつてタネは、農家がタネをとり、また翌年育てるという、人と大地が分かち合う共有の財産でした。
でも今は、「企業が所有するタネ」が増えています。
🔒 F1種=コントロールされた命
🌾 固定種=命本来の自由
自然農は、“借り物の命”ではなく、“つながる命”を育てたいと願う農なのです。
3. 自然の美しさを感じにくい
F1種は、人間の都合を最優先に設計された品種です。
- 形が揃いやすい
- 大量収穫に向く
- 日持ちする
…たしかに「売るため」には便利かもしれません。
でもその裏側で、香りや風味、育ち方の個性といった、命が本来持っている多様性が削ぎ落とされています。
固定種や在来種は、形が不揃いだったり、皮が薄かったりするかもしれません。
けれどそこには、命の個性と、自然の豊かさが確かに宿っています。
🍅 “便利な野菜”は作れても、
🌿 “魂が震える野菜”はF1種からは生まれません。
4. 育てる人の「感じる力」が育たない
F1種の特徴は「育てやすさ」にもあります。
マニュアル通りに管理すれば、誰でも“それなり”に育てられる。
でもそれは、
- 土の声を聴く力
- 天気や季節に合わせる勘
- 草や虫との共生を観察する感性
──そんな“自然と対話する力”を、育てる余白が少ないということでもあるのです。
🌱 自然農は「人が自然に学ぶ」農。
F1種では、その学びの扉が閉ざされがちになります。
🌿「本当の癒し」があるのは、命がつながる野菜づくり
観点 | 固定種・自然農 | F1種・慣行農法 |
---|---|---|
タネ | 自家採種で命がつながる | 毎年買い直し、命が続かない |
味・香り | 野性味と個性あり | 均一で無個性になりやすい |
育て方 | 自然と対話しながら育てる | マニュアルで機械的に管理 |
精神面 | 「生かされている感覚」が育つ | 作業的・効率的になりがち |
癒し効果 | 命とつながる“深い癒し” | 観賞的・一時的 |
まとめ:たったひとつのプランターからでも、癒しは生まれる
本当の癒しとは、自然のリズムに共振すること。
F1種では感じられないそのリズムが、固定種の野菜づくりにはちゃんと息づいています。
ベランダに置いたひとつのプランター。
そこから芽吹く命に、あなた自身の“感じる力”が共鳴する。
それが、暮らしを癒し、人生を変えていく第一歩になるかもしれません。
🌱自然農を、あなたの暮らしに。
命がつながる野菜づくり、今日から一緒に始めてみませんか?
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